木村天山  日々徒然 バックナンバー  

 日々徒然26

 心の力について言う。

 私たちの体には、毎日、ガン細胞が3,000個程発生している。

 体は、古い細胞が死に、新しい細胞がいつも生まれているのである。新しい細胞が出来る時に、古い細胞の遺伝子がコピーされる。その際に、ミスコピーがある。それがガンである。ミスコピーされたガン細胞が増殖して、手がつけられなくなる。

 ガン細胞を破壊するのは、免疫力である。その担い手が、体内に50億個もある、NK細胞である。(ナチュラル・キラー細胞)白血球の一種で、細菌やビールスなどの病原体を殺す働きをする。

 エイズビールスは、このキラー細胞を狙って攻撃をかけてくる。つまり人間の免疫力を破壊するという。

 さて、このNK細胞の働きに心が大きく影響している。

 悲しみの心が、NK細胞の力を弱めることが知られている。

 「ガンの生き甲斐療法」を提唱している、倉敷の柴田病院の伊丹仁医師は、大阪の寄席に11名のボランティアを集めて、三時間大いに笑ってもらい、その前後のNK細胞の活性を調べた。その結果、18例中13例で、NK細胞が三倍から四倍増していることが解ったという。

 つまり、笑うことによって、NK細胞が増強したということである。

 ガンを笑いで治すことが出来るということだ。

 ちなみに、アメリカのカール・サイモン博士の「イメージ・トレーニング」というものもある。これはガン細胞が巣くっているイメージを持たせ、そこにガン治療薬が入って、NK細胞と共に、ガンを攻撃するというもの。次々に、ガン細胞が破壊されるイメージを訓練するもの。これを通常の治療と共に行い、生存期間が五倍になったという。

 これを見ると、まさに、心が大きな影響を与えることが理解出来る。

 笑いとイメージによって、ガンを、いや感染症にも勝つということだ。

 精神力ではない。心の力である。

 力むことのない方法である。心は、胸、水落の当たりに、丸くある。それが脳に指令を出すのである。

 明るい希望、明るい思いが、心を整える。

 ある医師がガンになり、そのガンを治療するために、最後に取った方法が感謝するということであったと言う話もある。

 笑いが痛みを取り除くという方法を実行した人もいる。

 私が言いたいことは、病気も、性格であるということ。それを作る心の働きである。

 ガンと告知されただけで、死ぬと思ってしまう弱い人には、ガンと言わない方がいい。 どうせ死ぬのだから、10年長く生きても、大差ないと私は思うが、普通は、そう思えない。ならば、、笑うことである。

 笑って、イメージして、金もかからない。

 ここで本当のことを言うが、免疫力を高める、あらゆる薬やキノコ類を飲んでも、心が病んでいれば、効かないということである。

 悲しい顔をして、免疫力をつける物を飲んでも、生かされないのである。

 死ぬ時節には、じたばたしないで、死ぬべきである。と、前回書いた。心を、そこに持って、大きく開き直ることも、もしや、ガンを克服する考え方ではないかと思う。

 ある程度の年になったら、今日が死ぬ日だと、明るく淡々として生きることである。

 泣いても一生、笑っても一生であれば、笑った方がいいに決まっている。

 どんなに栄耀栄華を生きた人でも平等に死ぬのであるから、ぽっくり逝くように、笑っていた方がいい。よっぽどのことがない限り、人生に深刻なことはない。例えば、億万の衆生のための救いを考えるとかいうなら、別であるが。ほとんどは、どうでもいいことのために生きているのである。勿論、私もその一人である。