木村天山  日々徒然 バックナンバー  No44 2004年 著

 日々徒然 44

  33歳の知人が遊びに来て、色々と話をしていた。日本の歴史の話になった時に、彼は言う。日本はユダヤの十二支族の一つであると。つまり日本人の祖先はユダヤから来たということだ。

 今から、20年ほど前に、そういう説が世の中を賑わしたことがあるのを、思い出した。曰く、日本には、ユダヤを連想させる諸々の証拠があるというものだ。

 ユダヤを連想させる物が多いから、ユダヤから来た人がいるというのは、理解出来るが、それが、即日本人の先祖であるということが、不思議だった。大陸からは、一時期、続々と日本に渡来する人々がいた。ユダヤ人だけではない。

 例えば、天孫族は、騎馬民族であるという説を唱えた人もいる。私の子供のころは、そういう説が主流で、歴史の時に教わった覚えがある。私の年齢に近い人は、それを信じている。日本人の先祖と言っても、渡来した人ではないかということだ。

 ユダヤから来たも、騎馬民族も、一説である。騎馬民族説は、今では否定されている。 歴史は、証拠が優先であるから、証拠探しが重要であり、証拠が決め手になる。考古学などは、全くそうである。真実があっても証拠がなければ、無いとなる。学問の世界では、それでよいことだが、証拠から、証拠でないことを推理、また霊感によって解ることもある。と言うと、霊感というものに奇異な感じを受けるであろうが、簡単に言えば、霊感は勘でもある。勘というものは、熟練者に付き物である。発明、発見なども、この勘、または霊感による。私が言う霊感は、この勘の延長戦にあるものである。人知は時に、偉大なる力を発揮する。それが霊感でもある。

 結論から言うと、日本人の祖先は、ユダヤ人ではない。多くのユダヤ人が日本を訪れているが、それは日本に対する憧れからである。ユダヤ人だけではない。大陸からの人の渡来は、日本を憧れてのことである。勿論、それを本人が意識するかしないかは、解らない。 有史以来、日本には、数多くの渡来人が来ている。

 日本列島が、大陸から切り離されたのは、おおよそ一万年前から八千年前のことである。(これは、海洋地質学の立場からの報告を取り上げた。二万年前から、一万三千年前という説もある。)

 私は、日本列島が大陸から離れた時、天孫降臨が成されたと考えている。天孫降臨とは、神話の話であろうという人が大勢であるが、いくらでも説明がつく。肉体ではない、霊体であるから、降臨するのは、別に信じられないことではない。

 もっと驚くことを言うと、人類とは、アメーバーから、気の遠くなる進化を経てきたものと、地球外から移住したものと、日本のように天孫降臨したものと、大きく三つに分けられる。ギリシャ神話などを見ると、移住して来た地球外の人々の最初の姿が描かれている。荒唐無稽に感じられる話にも、真実があるのだ。

 さて、600年代、推古天皇の時代には、多くの渡来人が再び日本を目指してやって来る。当時の政治の中枢で働く人々の中には、渡来人が多かった。その後、飛鳥、奈良時代も多い。日本は、渡来人が来るのを拒むことなく、受け入れた民族である。朝鮮半島の王族なども、渡来して来ていた。これには、証拠が十分にある。

 これから歴史が解明されれば、解ることだか、今は、私の霊学から言う。

 宇宙は多次元世界であるから、三次元のこの世界は、多次元の世界に包容されてある。四次元の世界以上は、霊界と呼ばれる。その上には、神界が広がる。それぞれの土地には、それぞれの霊界が広がる。神界も同じく。

 日本が大陸から分離した時に、日本上空に高天の原神界が起こった。太陽神界の大本である。すべての民族の崇拝の対象であった太陽の神界である。どうして日本上空にそれが起こったかは、私も知らない。多くの民族は、この太陽信仰の神を、唯一神として祭るようになったから、諸々の宗教が生まれた。しかし、高天の原神界は、八次元であり、最高位は九次元であるから、その上の神界がある。

 日本人の最初は天孫降臨した神の子孫である。いずれ歴史が証明するだろう。ユダヤの一支族ではない。これは、はっきりさせていなければならない。日本に好意を持つ、イスラエルの学者は、日本とユダヤの同祖説を説くが、そうであれかしという気持ちが先に立っている。残念なことに、日本民族は、単体として日本民族である。アイヌ民族は北方からの渡来人で、沖縄は南方からの渡来人による琉球民族である。