みたび日々徒然 44

木村天山    

 

 

 政府が、2003年から一年間に退職した国家公務員のうち、中央省庁の課長、企画官以上1268名の再就職先を公表した。

 各省庁が許認可などで影響力を持つ、独立行政法人、特殊法人、認可法人、公益法人への天下りは、552名に上り、43,5%を占めた。

 仰天するのは、特殊法人改革を契機に発足した独立行政法人に、前年の18名から、76名に激増ということである。

 一体、どういうことか。天下る者も天下る者だが、それを善しとする政府の思惑を計り兼ねる。

 改革を断行するという法人に、どうして、こんなおかしなことが起こるのか。

 唖然として、呆然となり、悄然とする。

 何の改革なのか。どこが改革なのか。

 天下った者が、どん仕事をしているのか。ただ、地位に就いているだけであろう。そして、法外なサラリーを貰い、のうのうとして、国民とは遠い、安楽な生活をしているという図である。

 信じられないの一言である。

 108ある独立行政法人の役員658名のうち、317名が天下りによる退職公務員である。独立行政法人は、天下りの受け皿と言える。

 これを行う政府というもの、そして政治家というもの、すべて同じ穴のムジナであろう。万事休すである。

 この裏には、選民意識があるのである。我らは、国民とは違うという、恐ろしい選民意識である。ちなにみ、最も多い再就職先は、財団法人である。これにも裏がある。

 省庁のキャリアとして入れば、30過ぎると、良い話がある。一般の10倍以上の年収を確保出来る職に就くことが出来るというものだ。

 公金を使い、一部の者だけが優遇されるというシステムを作って、政治とは呆れる。民主主義とは、笑わせる。それを黙ってみている、アホな国民も、哀れで笑う。

 汗水垂らして稼いで税金を払い、一部の者共のために生きている国民を、私は哀れむ。これなら、共産主義の幹部どもと同じではないか。だから、民主主義も共産主義も、同じ穴のムジナなのである。選民意識から抜け出せないできた、人類の歴史がここにある。

 自由、平等、博愛などというウソは、本当にウソであるということが解る。そんなものが、この世にある訳がない。あると思わせて、民をごまかし、一人だけ良い目をみようとする、賢い人々であろうか。私は賢いとは思わないが。

 飛躍するが、要するに、この世は魔界に支配されているということである。地獄と言ってもよい。悪の支配に晒されていると言う。

 唖然、呆然、悄然として、私は波動が違うから、これらと座を同じくしないのである。 私の世界とは別の世界の出来事である。

 国を食い物にするなど、開闢以来始まってのこと。先祖に、どんな顔で逢うのか楽しみである。死人に口無しであるが、それはこの次元でのこと。死後の世界など無いと信じているがいい。死ねば解るのであるから、何をか言わんやである。

 哀れである。

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