みたび日々徒然 77

木村天山    

 05年4月16日、上海にて一万人の反日デモが行われた。

 「国連安保理常任理事国入り反対」「歴史教科書改ざんに抗議」そして日本製品のボイコットである。

 本当に、日本と中国の関係を理解しているのかと、私は疑問に思う。日本製品のボイコットをしていいのだろうか。それでは、日本が中国製品のボイコットをしたら、どうなるのか。冷精な判断とは思えないのである。

 国連、教科書問題については述べたので、日本製品について言う。

 日本と中国の貿易関係は、アメリカを抜いて大変な関わりになっている。様々な中国製品が日本の市場に出回り、それはそれは大変な勢いである。

 もし、日本が中国製品のボイコットをしたなら、中国経済の落ち込みは、悲劇的になることを、知ってのことか。

 中国製品は買え、しかし日本の製品は買わないと、それが国際的に通用すると考えているのか。「愛国無罪」と掲げて、抗議デモをしているが、日本人の愛国心も理解するのであろうか。自分たちの要求と、自分たちの言い分のみを掲げることは、あまりに子供じみて見苦しい。

 日本が中国に対して、援助を打ち切り、国費中国留学生も廃止して、抗議デモに対応したなら、どういうことになるのか。

 あくまでも、日本の中国侵略の事実のみを掲げるのであれば、話し合いは元より、友好関係も築くことが出来ない。一体、何が歴史改ざんなのだろうか。侵略の歴史を認めて、謝罪し、溢れる程のお金を援助して、なお足りないと言うのか。それでは、永遠に足りないということになるのであろう。

 文化と民間レベルで、大変に良い関係を結んでいるはずである。また、中国のそれぞれの都市は、日本の企業誘致に必至である。そんな中で、真面目に抗議デモと言うのであろうか。

 損得から考えても、抗議デモは、大損であろう。

 卑屈な程に謝罪外交をしている日本を、哀れと思わぬのか。

 ずさんで、野暮、野卑な中国人を見る思いがする。

 私が尊敬していた中国の姿とは、あまりにも掛け離れて、悲しい。日本に多大な影響を与えた、あの文化国中国のイメージが、無理霧散してしまうのである。

 「打倒小日本」という日本に対する蔑称を用いて、大中国を鼓舞しているのであろう。その行為は、大中国と思われない。まさに自分たちが日本を蔑称する小中国の姿を見せつけている。

 中国で仕事をしていた家族の話を聞いた。彼らは、中国で生活することで、人間不信に陥り、家族が鬱病になったと言う。それ程、中国人は信用出来ない民族だと言う。

 親しい者の家にも、平気で強盗に入る。嘘はつく。平気で騙す。道徳心など持ち合わせていないと言う。それも一つの真理であろう。そういう中国人もいると考える。

 上海で仕事をしている事業家の人々に聞くと、騙すのが当たり前の中国人と言う。それでも、日本人は、中国との仕事関係を重大に考えて、事を成している。

 話し合いで成り立たないのなら、話し合いは無意味である。日本との関係が切れた中国を想像していただきたい。

 また、日本に来た中国人が、同じ中国人を信用しないという事実も掲げておく。色々な証言があるが、省略する。

 

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