時事放談 32 2006/9/27

木村天山

 岐阜県の調査によれば、空出張、タクシー代の架空請求、飲食店から白紙領収書を受け取るなどして作った裏金は、94年で、4億円以上にのぼる。

 その頃は、裏金などで国の役員を接待する「官官接待」問題とあわせて、国民の厳しい目が注がれていた時期である。

 95年、情報公開条例が施行され、裏金作りは、自粛されたとされる。しかし、残金は隠され、その後、99年に県庁組織再編などを機に、発覚を恐れた県は、旧自治省出身で、当時、副知事だった森元恒雄、現自民党参議院議員の指示で、県の監査や情報公開の対象とならない組合口座に、半分近くの裏金の移し替えがあったという。

 不正し、それを異隠蔽するという、悪徳である。

 さらにである。各部署や職員の個人口座に裏金が残っていたため、処理に困った一部職員が、「不要な書類と一緒に、約400万円を焼却した」と言う。

 あくまで本人の証言であり、着服していたとしても、証拠はないという。

 

 県庁の複数の部署で捻出された裏金を、県職員の組合が管理する口座にプールとていたという、仰天も、仰天であ。

 ただし、岐阜県だけのことではないことは、確かである。

 政治家、官僚、公務員は、同じ穴のムジナであると、何度も言った。

 この金は、どこからきたのか。皆、住民、国民の金である。税金という名目で集めた公金である。

 人の金である。どうにでも出来るという根性が気に入らない。

 これで、税金や住民税は払わないという人が出てきても、おかしくない。しかし、泣く子も黙る税務署である。取るという気分旺盛の、職員である。税金は、収めるものだと思っていたが、これでは、取られるという意識になっても仕方がない。

 それで、彼らの処分は、どうなるのであろうか。

 少しばかりの、減給や、停職処分であろう。時間が経てば、皆、忘れると思っている。

 そして、住民も、国民も忘れる。

 馬鹿な国民にして、狡い政治家、官僚、公務員である。

 倫理も道徳も、あったものではない。

 日教組の思う通りの、日本になったということであろう。道徳教育は、個人の良心や思想に強制を与えるものであり、教育現場では、相応しくない等々、馬鹿も程々である。

 通常、日本の伝統では、死をもって罪に報いる。自害して、果てる。先祖に顔向けが出来ないばかりか、子孫に申し訳無いのである。

 しかし、厚顔無恥、感覚鈍磨、礼節皆無、自分のしたことを、誰がしたのかという顔をして生きる。恥知らずである。

 生きること自体が、屈辱であるとも思えない。

 

 信じられないが、事態は、そういうことである。

 政治家と官僚、公務員は、人非人であると、国民は諦めて、出来る限り、税金を払わないように、ウソでも、張ったりでも、かまして生きるしかない。

 信じる者は、騙される。

 政治家と官僚と、公務員は、信じては、ならない。

 これが、私の教訓である。 

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