時事放談39 2006/10/7

木村天山

 毎日新聞、9月18日の読者投稿欄の、東京都在住の78歳の方の文を読んだ。

 厚生年金で暮らしている。昨年の所得税は、昨年に比べて、8倍の8万円になり、介護保険料は、3万6000円から、5万6000円になったという。そして都発行の1000円シルバーパスの資格がなくなったという。

 そして、投稿者は言う。老人いじめの重税を嘆く声もあるが、よく考えると、見当違いの愚痴ではないかという。そういう政府や知事を選んだのは、われわれ選挙民であると。選挙の結果に甘んじなければならない。そして、今こそ、この事態を冷静に考える時だ。この次は、きっと厳しい一票になるように心掛けると。

 誰もが、老人になる。二十歳の人は、想像出来ないが、40,50になると、その先が見える。20年程先が見渡せる。

 年金額を決める人は、年金など当てにしない人達である。

 それらを最終的に選んでいるのは、われわれだということ。

 選挙を、もっと有効に生かすべく、行動しなければならない。

 投票率の低下は、実は、死活問題なのである。

 

 その同じ日の別の欄に、公的年金制度に強い不信という見出しで、世論調査の結果が出ている。全体の割合から、59%の人が近く破綻するとの見方。40代は、77%が破綻するとの見方である。

 つまり、信用していないのである。

 消費税財源には、反対が過半数である。

 足りないから増税、足りないから、増税ならば、国会議員などいらない。そんなことは、誰もが出来る。無駄をなくすこと、これが急務である。

 公共事業の口利きで、100兆円もの無駄な税金を着服する、政治家、官僚である。しかし、誰も、それにメスはいれない。不思議である。

 

 公務員の削減を掲げているのに、公務員を増やせと、各省庁が申請する。

 出来る限り、自分が仕事をせずに、下の者にさせるという魂胆なのであろう。

 そんなことは、少し公務員の仕事を見ていれば解る。

 役所に、一日いてみれば、明瞭である。必ず、遊んでいる者が、いる。

 働いているのは、下の者であり、上の者は、管理と称して、何もしていない。民間ならば、それで通るだろうが、公務員である。

 

 先の投稿者に似た人を私は、知っている。その人は、80歳を過ぎている。

 どうして、年金暮らしの私から、毎年税金を高く、高く取るのかと、憤慨する。取られるという意識である。払うという意識ではない。取られているのである。

 戦後の混乱期を生き抜き、ようやく、静かな老後を送ろうとしている。出来れば、長く生きたくない。しかし、死ぬまで生きなければならない。

 だが、資金が限られていれば、どう生きて行けばいいのか。

 悪いことをして、金儲けすることも出来ないという、そう、善良な国民がいる。

 アホと言われても、馬鹿といわれても、悪いことが出来ない人がいる。

 それを下々と言い、勝手にせと言う政治であろうか。

 

 何故、こんな人食い虎がいるところに住んでいるのかと問われて、税金が高いので、危険な場所に住むという話がある。

 中国の出典である。

 高い税金より、人食い虎の住む場所に住むという、悲しみである。

 今、日本は、そのように成りつつある。

 さて、どうするか。

 ちなみに、高齢者人口は、過去最高の2640万人である。特に、75歳以上の増加が激しい。昨年に比べて、54万人増えて、総人口に占める割り合いも、9,5%に達した。65歳以上は、総人口の20,7%である。

 65歳以上の高齢無職世帯の一カ月の赤字は、3万4963円である。足りない分は。貯金を切り崩して補っている。

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