時事放談 93  2006/12/31

木村天山

 タイ・チェンマイ滞在記その3

 フットマッサージは、タイ式であり、気持ち良い。オイルをたっぷりと使い、足裏から、膝下までをマッサージする。足裏に関しては、私の方が上手い。刺激が弱すぎる。ただし、リラックスするにはよい。棒も使う人もいるが、弱い。反射区を強く押すことで、治療が出来るが、タイマッサージの考えはリラックス効果なのである。

 タイマッサージは、一時間、二時間コースが一般的で、一時間でも十分な効果がある。ただし、凝りを出すまでは良いが、それを消滅させるには、持続して受けなければならない。眠っていた凝りが出てきて、受けた後で、逆に凝りを意識する。

 指圧、タイマッサージ、そして中国式のマッサージを取り入れて新しい整体の療法を考える。動物は凝らない。何故か、自然な生活だからだ。人間は不自然な生活をしている。故に、体が凝る。凝りを意識することで、体に対する意識が明確になる。

 ゲストハウスを出て、ターペーブラザホテルに移動する。

 日本だと、チェックアウト時間が決まっていて、追加料金が取られるが、チェンマイでは、全くそんなことはない。適当なのだ。それがいい。

 最後の部屋とあって、二階の見晴らしゼロの部屋である。しょうがない。

 ただ部屋は広く、日本であれば、一人15000円程の料金でろうか。ただし、タオルのみで、歯ブラシやカミソリなどの付属品は無い。日本のホテルから持ってきた、歯ブラシ、カミソリが役に立った。

 三泊の予定である。その後の部屋は、また一泊ゲストハウスにすることになる。

 体調も回復して、またマッサージ三昧を始める。

 最初の日の昼食を高級ホテルの和食にする。私はおかゆセットを、コウタ君はテンプラセットを頼む。おかゆは不味い。しかし、相当な料金であった。二人で千バーツ程度であるから、地元の人には、手が出ない食事である。3000円と少しになる。60円程度で食事をする地元の人には、ホテルの和食は、高級料理である。

 ウエイトレスが着物を着ているのが、おかしい。ちんちくりんに見える。

 ところが驚いた。翌日は、その隣のビルにある、日本食のレストラン富士に入ると、満席である。地元の人が大勢押し寄せていた。ホテルより安いが、それでも高い料金である。和食ブームである。

 私は、さんまの煮付け定食、コウタ君は、寿司を注文する。煮付けは、味が濃い。タイの味覚に合わせている。二人で300バーツ程度。ホテルより、当然安い。

 寿司は美味しいと言う。マグロはタイで捕れたものである。生物を食べるという感覚は、和食からであろうと思う。

 巻き鮨もあり、色々と工夫を凝らしていた。そのアイディアに関心した。

 醤油はタイで日本人が開発したものがある。いつだったか、雑誌で読んだことがある。ただし、キッコーマンもあった。みそ汁と醤油は、矢張り安心する。

 その近くで見つけた一件のマッサージ店で、フットマッサージをする。一時間コースである。上手い。ある程度の年期が入った人は、上手い。私は気に入って、そこに三度通った。二度目は、男性にお願いした。力があり、二時間コースのタイマッサージは、十分に満足するものだった。それを書くと長くなるので省略する。

 二日後、その彼に、二時間のハーバールマッサージをして貰った。薬草を蒸した袋で、体を温めつつ、治療するもので、温かさとマッサージの組み合わせである。これは、日本に戻り応用出来ると、考えた。特に、冬場の寒い時期には有効である。温灸の感覚である。 体を温めるというのがいい。あまりの熱さに声を上げることも多々。しかし、自然にリラックスしてくる。

 

 ホテルから日本に電話をしても安いので、横浜の辻さんと、実家の母に電話する。母はタイからの国際電話に驚く。

 観光している訳ではないから、食あたりの話をすると、タイの料理は食べるなと言う。まあ、言いそうなことである。観光と言えば、蛇の動物園と、象さんのキャンプに行ってみたかった。しかし、食あたりのために中止にした。町中を散策するので十分になった。運河に囲まれている街中を歩き、川を渡って、静かなゲイバーに出掛けた。

 ゲイバー以外は、煩くて行く気になれない。女性たちが、わいわいと騒いでいるパブとゴーゴーバーである。私の趣味に合わない。静かな飲み屋というので、ゲイバーを探した。ただし、ゲイバーといっても、喧しいショータイムの店が大半である。日本では、ニューハーフと言うが、タイでは、レディボーイという。そしてゲイボーイである。

 レディボーイの店は煩い。ゲイボーイの店は、ショーがあるが、まだ静かである。私が行ったゲイバーは、ほとんど日本人が来ないという。欧米人、マレーシア人、隣のカンボジアからも来るらしい。言葉は英語である。英語が出来ないと、旅の楽しみが半減する。兎に角、知っている英語を使うこと。彼らは自然に覚えるという。使えば覚える。方法は、話すこと。

 最初、コウタ君と、ビール一杯を飲んで300バーツで帰った。それから二度通った。ボーイに御馳走して、600バーツになった。御馳走すると、心底からお礼を言われる。連れて帰ることも出来るが、連れても、どうしようもないから、飲むだけである。別の露店のような店が立ちらなぶゲイバーにも行ったが、他の店が煩いので、一度行ったきり。

 寝るのは、深夜2時を過ぎた。日本時間では、4時である。朝は、八時に目覚めて、ホテルの朝食を食べる。60バーツでアメリカンブレックファーストである。コーヒーは飲み放題。一時間近く、ホテルの庭で過ごす。

 朝の食事の時に、昼の食事の計画を立てる。和食ばかりでは、おかしいと、次はイタリア料理にする。

 一件のイタリア料理店が気に入った。後で知るが、シェフは日本の大阪でイタリア料理店で指導していたプロである。タイ人と結婚し、チェンマイが気に入り、店を出した。南イタリア料理専門である。兎に角、美味しい。旨い。旅の後半の昼食は、すべてそこで食べた。そのうちに、サービスでパンを出してくれるようになった。

 

 さて、ターペープラザホテルを出て、また最初のホテルの近くのゲストハウスに一泊することにした。新しいゲストハウスで、一泊450バーツである。少し高いが、新しいので、気持ちがいい。ただ、毛布が無いのが難で、私はゆかたを掛けて寝た。

 最後のホテルを予約するために、たへんな苦労をした。皆ホテルが満杯である。タイ人の観光客が押し寄せて、中々見つからない。そこで少し料金を上げて、探した。直接ホテルと交渉するより、代理店から予約すると安いというので、代理店から探すが、中々見つからない。最終的に、1250バーツのツインルームを見つけた。町中の二階建のホテルで、中庭がある。最初に泊まったホテルのターペー門を隔てた中流ホテルである。

 オフシーズンは、900バーツになると言う。しかし、一泊目の二階の部屋より、一階の部屋に移った時、600バーツで泊まれた。古い部屋だったが、何とも価格が適当である。さて、タイのホテルでは、客室が大半禁煙である。タイの法律により、全面禁煙が行き渡っていた。レストランも、中は禁煙。喫煙する人は、外のテーブルに座る。徹底していた。

 私は、その禁を犯し、部屋でもタバコを吸った。解らないように、ペットボトルに水を入れて、そこに捨て、後で買い物袋に移して中が見えないように処理した。

 ゲストハウスも禁煙である。オープンレストランのみ、中でも喫煙が出来た。

 

 こうして書いていると、本当に書きたいことがあるが、いずれ、エッセイを書く時に、色々なことを考えたことを書くことにする。

 取り敢えず、旅の流れを書いて、滞在記とする。

TOP