新沈黙を破る 40

木村天山

 第一回の十字軍の遠征は成功したが、その後六回の遠征は失敗した。それによりローマ法王の権力が衰退する。それで得をしたのは、イタリア商人と国王であったという皮肉である。このイタリア商人により、ルネッサンスが後押しされることになる。

 第四回以降は、イタリア商人が、ビザンツ帝国から東地中海、黒海の交易の主導権を奪い、ヴェネツィア、ジェノヴァなどの都市が急速に勃興したのだ。

 

 この頃、商人たちが築いた小都市からブルジョアという言葉が生まれた。都市は城壁によって守られ、独自の都市法により統治されていた。この城壁を、Burg、その中の人を、Burgerと呼び、それが訛ってブルジョアと呼ばれるようになる。

 その頃、モンゴル帝国は、アジアの道路網を草原の道と、シルクロードで結び付けて、ユーラシア規模での大交易網を作り出していた。

 それを伝え聞いたローマ法王は、モンゴル人との同盟の可能性を探るべく、キリスト教布教と共に、プラリ・カルピニを派遣する。またフランス王も使節ルプルクを派遣する。マルコ・ポーロがやって来たのもこの頃である。

 モンゴル、元と提携関係にあったチンギス・ハーンの四代目、モンケ・ハンはバクダートを陥落させて「イル・ハーン国」を建てた。イスラム世界は、そこでモンゴル帝国の支配下に入ったのである。

 少し複雑になるが、その後、1260年、イル・ハーンの兄弟のフビライが大ハン位に就くが、チンギス・ハーンの子であるオゴタイの孫に当たるハイドゥが、3つのハン国を統合して、反旗を翻したため、30年に渡る大戦争が始まった。

 フビライは、中国支配を力にハイドゥの勢力と対抗し、1266年以降大都(北京)の建設に着手。1271年、「大元」の国号をたてた。1279年には、南宋の国を滅ぼす。 結果、元は中国、モンゴル、チベットと、東北部を支配し、高麗を属国とし、日本、東南アジアに遠征し、東アジア統一を計る。

 

 日本は、時に鎌倉時代、北条執権の時である。禅が盛んになり、鎌倉仏教と言われる仏教全盛の時。日蓮は、国難が襲うと予言する。念仏や禅が盛んであることから、国が衰退し国難が襲う。題目を唱えなければ、日本は滅亡するとの説教を繰り返した。

 今も、その日蓮の言葉を素直に信じて、題目を唱え、日蓮に背けば日本は滅ぶと叫ぶ者あり。国が、国立戒壇建立をしなければ、国滅ぶと言う。

 つまり、日本が日蓮宗、法華経を奉じなければ日本が滅ぶと言う。

 あのー、お言葉ですが、すでに、日本は滅んでいますとは、私の言い分である。

 大はつ涅槃経を信仰する、ある教団の信者が私に言う。法華経は、書かれてから500年を過ぎると、その効力を失うと。日蓮宗が聴いたら、仰天する話である。すでに、500年を経ているのである。効力無し。

 仏典は、ブッダ滅後、500年を経てから、編纂、書かれたものである。

 中国などは、あの中国人であるから、仏典と称して、偽物の仏典を多く作って人を騙していた。人を騙すのは、朝飯前であろう、中国人なら。

 仏教学者には申し訳ないが、仏典というものは根拠が全く無い。いくら研究しても、駄目。全然駄目。嘘八百。本当か、ウソか、全く解らないのである。

 偉い人は、書き物を残さない。残せば、それに捕らわれて、それに振り回されて、とんでもない方向に飛んで行くことを知っているから、残さない。

 お勉強をして、生きるということは解りません。一本のニンジンを作ることの方が、貴い行為なのである。ということを、彼らは言うのである。

 彼ら自身は、一本のニンジンも作らなかった。作れなかった。そういうこと。

 

 ゆめゆめ、夢をみることなかれ。

 人は、教義や教理、仏典に生かされているのではない。太陽と自然の働きに生かされている。日本の伝統は、それを言うのみ。自然との共生と共感で生きられると。

 日蓮は、空海も最澄も(天台から日蓮は出た)、法然も、親鸞も、南都六宗も否定した。 では私は、日蓮も否定する。

 予言は、私もすべて当たっている。世界を見れば、予言が外れるということは無い。いつも、天変地異があり、国が混迷する。何を言っても当たる。

 占い師くずれでも当たる。

 仏教で言うところの末法とは、妄想である。

 世はいつも、混迷して、不安定で、終末思想に溢れている。

 これ以上、日蓮のことを過大評価するのであれば、私は言う。日蓮は、誇大妄想症であったと。ご病気でしたと。

 

 音楽史は、歴史に支えられ、歴史は哲学に支えられ、哲学は、名も無い人々に支えられてある。

 子供を生んで育てたのは、女である。それを棚に上げるな。ご大層なことを言っても、糞小便、垂れ流して大きくなったのである。

 偉人も女から生まれた。不浄とされる女の股から生まれた。忘れるな。