木村天山旅日記

サイパン慰霊 平成19年5月19日〜25日

第五話

サイパンは、見事に観光地化されている。

旅行会社の一人勝ちである。

すべてが、お膳立てされていて、こちらの思惑の入る余地はない。

旅の出来ない場所である。

 

兎に角、驚くことは、現地の人に会わないということである。

ホテルの従業員を始め、レストラン、タクシー等々、皆、中国人、フィリピン人である。

サイパンは、彼らに乗っ取られたといえる。

 

高級ホテルは、フィリピン人が占める。、サイパンに来ていたフィリピンの学生グループに、偶然に出会うことが出来た。

ライ教会で、少し話すことが出来た。観光ではなく、勉強に来たという。つまり、就職の様子を探りに来たのである。

 

レストランの送迎車の運転手に聞いた。

中国人が一番多いという。彼も中国人だった。至るところから来ている。

多くは、下働きが多いらしい。給料は、日本円にして、5万から6万円である。生活にするに、精一杯だという。しかし、それでも、本国にいるよりよい。仕事があるからだ。

 

経営者は、日本人と韓国人、中国人である。

地元の人が経営者という話は聞かない。

コンビニに入ると、韓国製品が、やたらに多い。そして、高い。物価が高いのは、観光客のせいである。すべては、観光客を主にして、考えられる。

 

私の泊まったホテルは、格段に安いホテルである。といっても、ツアーのホテルであるから、それなりの格はある。

しかし、格式高いホテルとは違い、フロントのフィリピン人たちは、何でも話してくれた。

 

安いレストランはあるが、中々観光客には、見つけられないという。自分たちには、高い過ぎて、とうてい行けないという。通りに面した店ではなく、通りから外れた所に、安い店がある。しかし、それには一週間以上の滞在が必要だ。そして、足で探す。

観光客用のパンフレットには、そんな店は無い。当然である。

 

主食の米は、韓国、中国から輸入されている。

サイパンでは、鶏を飼う程度である。日本と同じく、多く輸入に頼っている。

一番の問題は、水である。海水を淡水にして利用する。これは、当然大変な維持費がかかるだろう。

慢性的な水不足である。

雨期の時期に、水を溜めるための何物もない。

 

私は、日本人が、五万人程住んでいた頃、どのようにして暮らしていたのかに、興味を持ったが、調べる術が無い。

 

さて、サイパンは、カトリックの島である。

イスラムのモスクも一つあると聞いた。イスラム系の人々も遠征しているのである。

カトリックの島になるために、先に書いたように、多くの人が殺されている。

元から住んでいた現地人が、皆殺されたということである。五万人が、二千人に減り、それらが、グアムに移住させられたという。そして、カロリン諸島の人々の移住が許されて、今の現地人は、その子孫ということになる。

しかし、チャモロ人というから、不思議だ。チャモロ人は、いないはずであるが・・・

グアムから、また戻ったのであろうか。

 

開拓には、必ず宣教師がついた。

日本の場合もそうだが、領土所有と、貿易と宣教師は、つきものである。

キリスト教を布教して、それにより、何事もうまく運ぶようにする。

要するに、自分たちの価値観を植えつけることから、何事も始まる。

 

秀吉も、家康も、カトリックの布教の本心を知ったことから、キリシタン禁止をした。

秀吉は、政治家の勘であり、家康は、カトリックに対抗する、プロテスタントの牧師からの、忠告であった。いずれ、日本をローマカトリックの属国にすべく、云々という話を聞いて、禁止令を強化した。

犠牲になった、無垢なキリシタンは、本当に哀れである。

 

キリシタン弾圧という言葉を使うなという人もいる。つまり、弾圧ではなく、国を守るためだったという。

天皇より、将軍より、キリスト教の神が一番であり、その代理者である、ローマのパッパ様、法王が一番であると教えられるのである。

 

欧米人の大罪には、言葉も無い。

ヒットラーのユダヤ人大量殺人を言うが、大航海時代のスペインやイギリスの大量虐殺は、膨大である。

現地人を皆殺しにする。そして、十字架を立てる。それが正義と信じていた時代である。

アメリカインディアンの大量虐殺は、余りある。

神の名で、皆殺しにし、その上で、アフリカから奴隷を連れて、強制労働である。

欧米の繁栄は、そのゆえであること、知るべきである。

 

共産主義を嫌うカトリックだが、その共産主義と同じく、人の命など、何とも思わない。

だが、共産主義は、他国民を殺すのではない。自国民を殺して平気である。

中国共産党、毛沢東は、自国民を7000万人殺して平気である。

カンボジア、ポルポトも、そうである。

スターリン、レーニンも、そうである。

自国民を平気で殺すのであるから、他国民は、物の数ではない。

 

よくよく、歴史を鑑みて物を言うべきである。

日本が第二次世界大戦を起こさなければ、多くのアジアの国に、独立はなかった。

戦争責任云々を言うならば、それも言え。

 

自国民を大量虐殺した、毛沢東を国父としている中国人は、中国人を信用しない。当然である。いつ殺されるか知れない。親友でも、信用しない。いつ、物を盗まれるか知れないからだ。

 

江沢民は、日本から富士山より高く積まれた金を貰っても、感謝の言葉無く、評価するというのみ。そして、平然として、反日教育に力を注いだ。信用できるはずがない。

 

ところが、この度、中国の中国南方航空が、長春から福岡、広州から仙台、また10月を目途に、広州から千歳便を、中国航空当局に申請している。

各地の日本企業誘致も、盛んである。

騙される日本人が多いので、注意、注意である。

礼節も何も無い国である。儒教、道教、果ては、仏教が盛んだったとは、信じられないのである。

日本に対する意識は、隋の煬帝の時から、変わっていない。東の島である。属国扱いである。

 

私は、中国人の留学生を、多く知っている。実に良い青年たちである。しかし、あの国であるから、哀れである。以下、省略する。

 

さて、サイパンに行き、知らなかったことの多くを知った。知らないということを、知った。

観光なら、二度と行きたくない島である。しかし、慰霊ならば行く。

隣のテニアン島にも、慰霊に行くべきだと思うが・・・

観光。

現地の人々が、生き生きと生活している様を見たい。それを、光として観たい。だから、観光である。

気候風土としては、高齢者の暮らしやすい島であるが、物価が高すぎて、無理である。

私の、テラの会の活動には相応しくない。

 

そして、食べ物が不味い。

少しの注意を払えば、旨くなるはずであるが、悲しいことに、味覚の感覚がなっていない。

繊細微妙な味覚を持つ、私は日本人であるから、しょうがないが、あまりに大雑把過ぎる。

ハンバーグが絶品という店に行った。

大きいばかりで、味付けは濃く、こちらの普通の食堂のものより、不味い。要するに、美味しいものを知らないのである。

かろうじて中華と、韓国料理は、食べられる。そういうものだと思っているからだ。

 

しかし、今、日本でも、日本人としての味覚が失われている。

アメリカのジャンクフードのせいである。

これは、省略する。

 

本当に、日本は良い国である。その良い国を実感として感じる能力も、失うと、どうなるのだろうか。

貧しい国に出掛けて、我が国の良さを知るという傲慢もよいが、日本が、誰によって成っているのかを知ることである。

貧しい国の、貧しさは、何故かを考える時、世界の本当の姿が見える。

 

この幸福を謙虚に感謝し、世界の平和を祈る。

 

注・

この活動をするためには、資金が必要である。

多くの人の支援を受けている。しかし、この無形の行為に、意味を見出す人は、少ない。

お金は、生かして、金となる。

しかし、金持ちほど、金を生かす事無く、単に貯めるだけであるから、驚く。子孫に残すのであろう。

哀れである。

しかし、その哀れさに気づかないゆえに、金持ちとして、存在していられる。