木村天山旅日記

  ラオス・ルアンパバーン
  
平成21年6月 

 

第8話

再度、トゥクトゥクに乗って、ゲストハウスに向かった。

 

私は、汗だくになっていた。

浴衣の袖で、顔の汗をぬぐう。

 

風自体も、暑いのである。

ところが、現地の人は、あまり汗をかかないのである。

慣れなのであろう。

 

ゲストハウスに着いて、部屋に入り、まず、20ドルを渡した。

そして、ニッツに、チップとして、5ドルを渡した。

 

2500円で、とても、大事なことが出来た。

感謝した。

 

それじゃあ、と、再会の約束をして、別れた。

ニッツは、電話番号を教えてくれた。

次に来た時に、連絡することにした。

 

しかし、その後、私は、ニッツに、二度会うことになる。

 

シャワーを浴びて、まず、着替えをした。

 

ところで、ここでは、土曜日の、深夜3時頃から、日曜の夕方まで、停電になる。

停電だと、エアコンも、シャワーも、駄目。

だから、水シャワーになる。

 

水シャワーは、温かいので、平気だが、エアコンが効かないのは、困った。

 

昼過ぎていたので、買い物に出掛けた。

道端で、売っている物を買って、部屋で食べようと思った。

 

あの、ニッツのいるレストラン以外は、コーヒーショップにも入らなかった。

皆、路上の屋台から、買った。

 

ミニフランスパンの、サンドイッチが、一万キップである。

それを、夜の分と、二つ買う。

すると、コーヒーは、いかがですかと、声が掛かる。

と、そのように聞こえた。

 

コーヒーは、煎れたてで、五千キップである。

 

昼と、夜の、食事で、約、2,5ドルである。

と、思いきや、果物の屋台で、足が止まる。

 

丁度、多くの果物が、出る時期である。

兎に角、パイナップルが美味しかった。

一個分を、切り分けているものが、五千キップである。

 

部屋に戻り、窓を全開にして、昼ごはんを食べた。

部屋は、丁度、日陰になり、それほど暑くなかったのが、幸いである。

 

今夜で、この街と、お別れである。

 

マッサージにと、思ったが、諦めた。ここで、下手なマッサージをされると、益々、疲れると、思ったからだ。

何せ、こちらは、人に整体をし、マッサージにかかる、プロである。

 

ミニフランスパンは、多かった。

腹が満タンになった。

 

コーヒーも、大型のカップに、たっぷり入っている。

 

私は、そのまま、ベッドに、体を横たえた。

 

そして、うとうとしている時、ドアが、ノックされた。

ニッツだった。

 

三時頃だろうか。

 

彼は、私に会いたいという人がいると、誘いに来た。

それは、有難いと、思ったが、今は、これ以上に、何も出来ないのである。

会っても、何も出来ないのだから、申し訳ないと、その申し出を、断った。

しかし、ニッツは、少し、しつこく、誘うのである。

その人は、少し日本語が出来ると言う。

 

次に来た時に、会うことにすると、私は、固く辞退した。

 

渋々、ニッツは、帰っていった。

その時、ニッツが、今日は、まだ何も食べていないと、言うので、夜のために、買った、サンドイッチを上げた。

 

だが、再び、六時前に、来た。

何と、その時は、酔っ払っていた。

 

チップ分を、すべて飲んでしまったのかと、思えるほど、酔っていた。

 

矢張り、私に着物を着てくれ、会わせたい人がいると、言う。

 

いや、今回は、もう十分だと言ったが、ニッツは、酔っているせいか、頑固である。

と、ベッドに、横たわり、寝た。

 

酔いで、どろどろになっているようだった。

兎に角、私に会ったことが、嬉しくて嬉しくて、たまらないようだったことは、解った。

 

英語で、私を絶賛していた。

 

私は、ベッドに横になるニッツを、暫く眺めていた。

彼の幸せは、何か・・・

 

すると、彼の携帯電話が鳴る。

私は、ニッツを起こしてみた。

目を開けるが、再び、眠る。

 

こりゃあ駄目だ。

 

私は、意を決して、彼の勤める、レストランに行くことにした。

彼らに、迎えに来てもらおうと思った。

ところが、レストランに行くと、今日は、いつものボーイさんたちは、休みだというのである。

 

あららら

再度、部屋に戻り、ニッツを起こしてみたが、目は、開くが、起きる気配が無い。

また、携帯が鳴った。

また、私は、ニッツを起こした。

 

やっと、電話を取ってくれたが、受話器をきちんと、持てないのだ。

 

と、ニッツが、ぅえーと、声を上げて、トイレに、駆け込んだ。

そして、やや暫く、吐いていた。

 

私は、トイレットペーパーを持って、その横に立ち、ニッツに、少し千切って、渡す。それで、口元を、拭く。そして、吐くの、繰り返しである。

 

ようやく、収まり、やっと、携帯で、話すことが出来た。

何やら、色々と、言われているようだった。

 

終わると、フラフラしながら、戻りますと言い、今度は、本当の別れである。

 

必ず、また来るから。

私は、あなたと、ベストフレンドだと、言うと、ニッツは、安心した顔をして、バイバイと、出て行った。

 

私も、どっと、疲れた。

 

その頃は、電気が戻っていたので、エアコンをつけて、ベッドに体を投げ出した。

 

長い一日だった。

そして、内容の濃い、一日だった。

 

ニッツは、一体、誰に、私を会わせたかったのか。

きっと、日本人で、お金を持っているから、頼みを聞いてもらえると、思ったのだろう。

彼らから、見れば、とてつもなく、お金持ちに見えるのである。

ニッツは、私がドルを出したとき、財布のドル紙幣を見ている。

何かの時に、と、思う気持ちで、少しばかり、多めにドルを持っているのである。

お金は、見せては駄目である。

再度、トゥクトゥクに乗って、ゲストハウスに向かった。

 

私は、汗だくになっていた。

浴衣の袖で、顔の汗をぬぐう。

 

風自体も、暑いのである。

ところが、現地の人は、あまり汗をかかないのである。

慣れなのであろう。

 

ゲストハウスに着いて、部屋に入り、まず、20ドルを渡した。

そして、ニッツに、チップとして、5ドルを渡した。

 

2500円で、とても、大事なことが出来た。

感謝した。

 

それじゃあ、と、再会の約束をして、別れた。

ニッツは、電話番号を教えてくれた。

次に来た時に、連絡することにした。

 

しかし、その後、私は、ニッツに、二度会うことになる。

 

シャワーを浴びて、まず、着替えをした。

 

ところで、ここでは、土曜日の、深夜3時頃から、日曜の夕方まで、停電になる。

停電だと、エアコンも、シャワーも、駄目。

だから、水シャワーになる。

 

水シャワーは、温かいので、平気だが、エアコンが効かないのは、困った。

 

昼過ぎていたので、買い物に出掛けた。

道端で、売っている物を買って、部屋で食べようと思った。

 

あの、ニッツのいるレストラン以外は、コーヒーショップにも入らなかった。

皆、路上の屋台から、買った。

 

ミニフランスパンの、サンドイッチが、一万キップである。

それを、夜の分と、二つ買う。

すると、コーヒーは、いかがですかと、声が掛かる。

と、そのように聞こえた。

 

コーヒーは、煎れたてで、五千キップである。

 

昼と、夜の、食事で、約、2,5ドルである。

と、思いきや、果物の屋台で、足が止まる。

 

丁度、多くの果物が、出る時期である。

兎に角、パイナップルが美味しかった。

一個分を、切り分けているものが、五千キップである。

 

部屋に戻り、窓を全開にして、昼ごはんを食べた。

部屋は、丁度、日陰になり、それほど暑くなかったのが、幸いである。

 

今夜で、この街と、お別れである。

 

マッサージにと、思ったが、諦めた。ここで、下手なマッサージをされると、益々、疲れると、思ったからだ。

何せ、こちらは、人に整体をし、マッサージにかかる、プロである。

 

ミニフランスパンは、多かった。

腹が満タンになった。

 

コーヒーも、大型のカップに、たっぷり入っている。

 

私は、そのまま、ベッドに、体を横たえた。

 

そして、うとうとしている時、ドアが、ノックされた。

ニッツだった。

 

三時頃だろうか。

 

彼は、私に会いたいという人がいると、誘いに来た。

それは、有難いと、思ったが、今は、これ以上に、何も出来ないのである。

会っても、何も出来ないのだから、申し訳ないと、その申し出を、断った。

しかし、ニッツは、少し、しつこく、誘うのである。

その人は、少し日本語が出来ると言う。

 

次に来た時に、会うことにすると、私は、固く辞退した。

 

渋々、ニッツは、帰っていった。

その時、ニッツが、今日は、まだ何も食べていないと、言うので、夜のために、買った、サンドイッチを上げた。

 

だが、再び、六時前に、来た。

何と、その時は、酔っ払っていた。

 

チップ分を、すべて飲んでしまったのかと、思えるほど、酔っていた。

 

矢張り、私に着物を着てくれ、会わせたい人がいると、言う。

 

いや、今回は、もう十分だと言ったが、ニッツは、酔っているせいか、頑固である。

と、ベッドに、横たわり、寝た。

 

酔いで、どろどろになっているようだった。

兎に角、私に会ったことが、嬉しくて嬉しくて、たまらないようだったことは、解った。

 

英語で、私を絶賛していた。

 

私は、ベッドに横になるニッツを、暫く眺めていた。

彼の幸せは、何か・・・

 

すると、彼の携帯電話が鳴る。

私は、ニッツを起こしてみた。

目を開けるが、再び、眠る。

 

こりゃあ駄目だ。

 

私は、意を決して、彼の勤める、レストランに行くことにした。

彼らに、迎えに来てもらおうと思った。

ところが、レストランに行くと、今日は、いつものボーイさんたちは、休みだというのである。

 

あららら

再度、部屋に戻り、ニッツを起こしてみたが、目は、開くが、起きる気配が無い。

また、携帯が鳴った。

また、私は、ニッツを起こした。

 

やっと、電話を取ってくれたが、受話器をきちんと、持てないのだ。

 

と、ニッツが、ぅえーと、声を上げて、トイレに、駆け込んだ。

そして、やや暫く、吐いていた。

 

私は、トイレットペーパーを持って、その横に立ち、ニッツに、少し千切って、渡す。それで、口元を、拭く。そして、吐くの、繰り返しである。

 

ようやく、収まり、やっと、携帯で、話すことが出来た。

何やら、色々と、言われているようだった。

 

終わると、フラフラしながら、戻りますと言い、今度は、本当の別れである。

 

必ず、また来るから。

私は、あなたと、ベストフレンドだと、言うと、ニッツは、安心した顔をして、バイバイと、出て行った。

 

私も、どっと、疲れた。

 

その頃は、電気が戻っていたので、エアコンをつけて、ベッドに体を投げ出した。

 

長い一日だった。

そして、内容の濃い、一日だった。

 

ニッツは、一体、誰に、私を会わせたかったのか。

きっと、日本人で、お金を持っているから、頼みを聞いてもらえると、思ったのだろう。

彼らから、見れば、とてつもなく、お金持ちに見えるのである。

ニッツは、私がドルを出したとき、財布のドル紙幣を見ている。

何かの時に、と、思う気持ちで、少しばかり、多めにドルを持っているのである。

お金は、見せては駄目である。