レイテ慰霊 第2話
ホテルは、予約していたので、話は、スムーズである。しかし、アジア系のホテルは、特に安いホテルは、見てから決めるべきであると、痛切に思った。
部屋に案内された。
暗い。
エアコンだけは、よく効いた。
トレイ。水か出ない。ウンコをした時、シャワー用の、水から、バケツに水を入れて、カップで、流すという・・・
窓があるが、隣のビルと、接していて、開けられるものではなかった。
800ペソ。1600円。それでも、私には、高い。
タイでは、300バーツという、900円のゲストハウスに泊まる。
フィリピン人の意識と、日本人の意識は、あまりに乖離する。
壊れたら、直すのは、日本人としては、当たり前だが、あちらは、そのままである。
要するに、客が入ればいいのだ。その客の評判などは、どうでもいい。
勿論、高級ホテルは、別である。
部屋に入り、先にお金を貰えば、こっちのもの、である。
結果、三泊分の料金を支払い、一泊だけ、泊まったという、ゴーストホテル。
その異変に気づいたのは、昼の食事をして来て、ベッドに体を、休めていた時である。
その食事も、アメリカンスタイルの、フード店に入り、春雨の炒め物を注文して、驚いた。140ペソと、安いと思い込み、頼んだが、五人前ほどの量である。
一人で、食べるものではなかった。
それに、豚の、すべてが、入っているようなもの。
頭から、足の先まで。そして、内臓まで・・・
三分の一食べるのが、やっとだった。
アイスーティーで、流して食べた。
ウェーーーーと、思いつつ、ホテルに、戻る。
ベッドに横になっていると、ドアの場所が、非常に気になる。
ここからは、私の妄想である。
まず、一体は、熔けているような人、人が、重なるようである。
一人ではないから、火に焼けた人が、重なっているのか・・・
そして、もう一人は、女性である。
何と、聖母マリアだと、思っているようである。
つまり、マリア様信仰の深い女性が、死んでから、自分をマリア様だと、思い込んでしまったようだ。
勿論、私は無視して、過ごした。
それは、目には、見えないから、何ともない。
レイテ島は、日本軍が、植民地化して、住民を戦争に巻き込んだ、激戦地である。
住民にしてみれば、とんだ迷惑である。
その後、アメリカ主導の、支配により、住民たちは、翻弄された。本当に、気の毒な、場所である。
それは、また後で、書くことにする。
私は、衣服支援の衣服も、マニラですべて渡してきたので、ここでは、追悼慰霊だけを、執り行う。
そして、その慰霊の一つが、最初の特攻隊攻撃の皆様と、タクロパンのレイテ沖で亡くなった人々を追悼慰霊するものである。
街の東側にある、レイテパークに行き、マドンナ・オブ・ジャパン、すなわち、マリア観音像の前に広がる海に、慰霊の所作を執り行う。
何が何でも、いの一番に、慰霊を行いたい。
ベッドに横になりながら、そう、思っていた。
すると、ドアが、ノックされる。
ボーイが、タオルと、トイレットペーパーを持って来た。
そこで、尋ねた。
明日、タクロパンを一時間ほど回りたいが、バイクタクシーは、幾らくらいかかるのかと。
すると、彼は、身を乗り出して、友達が、バイクタクシーをやっているから、聞いてあげますと言う。
それから、その話のために、度々、彼が部屋にやって来た。
そして、ホテルに、マッサージサービスは、あるかと、尋ねると、あると言うので、幾らかと、問うと、700ペソと、答える。
マニラより、高い。
ボーイマッサージはいるのか。
すると、ボーイが好きかと、聞かれた。
ボーイの方が、力が強いと、答えたが、意味が違うような気がした。
結局、ガールしか、マッサージは、いないということで、ガールにした。
私の、唯一の旅の楽しみは、マッサージである。
日本のように、銭湯は無いし、男のための、風呂と言うと、あちら、つまり、エッチ系しかないのである。
夕方、マッサージ嬢が来た。
オイルマッサージである。
ところが、上手だ。
力がある。
これは、いい。と、思いきや、体を反転させると、タオルを取られる。つまり、全裸である。
そして、仰向けのままに、マッサージが続く。
マッサージ嬢との、やり取りがはじまる。
射精だけだと、2000ペソ、セックスだと、3000ペソであると。
それは、マッサージ料金も含む。
いやいや、マッサージオンリーであると、私。
すると、いやいや、御願いですと、マッサージ嬢。
私は、700ペソを、貰っても、取り分は、200ペソなのです。
後は、オーナーのものです。
そう。
そうです。大変なんです。
だから、どちらですか。
レイテ島だけはない。
フィリピンは、搾取の国である。
つまり、大半のお金が、搾取される。
後で、知るバイクタクシーの話も、そんなことからの、激しい、やり取りがある。
搾取される人は、取れる人から、取らなければ、やってゆけない、システムなのである。
そうして、また、法整備が整っているのである。
貧しい人は、決して独立できないような、法整備である。
誰の、仕業か。
取れる人とは、観光客である。
現地の人からは、取ることが出来ないのである。
一度きりの、観光客が、カモである。
マッサージ嬢との、やり取りは、もう面倒なので、省略するが、結果、私は、100ペソのチップで、彼女を収めた。
そして、マッサージが終わると、待ってましたとばかり、ボーイが来て、明日のバイクタクシーの交渉である。
一時間、800ペソという。1600円。
高いのか、安いのか、よく解らない。しかし、話を聞くと、彼の仕事以外の時間で、オッケーと言う。
では、何時かと、聞くと、夕方の五時である。
それでは、駄目だと、言った。太陽が、上に出ている時だ。
それじゃあ、朝の五時は、どうか。
朝の五時とは、また、早い。
私は、国旗の日の丸を出して、実は、祈るために、明日は、レイテパークに行くのであり、観光ではないのだと、言った。その後で、セントニーニョチャーチに行くと。
セントニーニョとは、幼きイエスという意味である。
要するに、幼きイエスを、主にして奉るという意味。
カトリック教会は、聖母を奉る教会、聖人を奉る教会が多い。
マニラでは、幼きイエスを奉る教会が多い。
それに、800ペソに、拘った。
どうも、高いのではないかと、思えた。
メータータクシーでも、そんなにかかるだろうかと。
ボーイは、価格を下げた。
500ペソでは、どうかと。
それで、一気に、解った。ボッていると。
いや、無理ですねーーー
昼間じゃなきゃ。アイムソーリー、ソーリーと、何度か、言った。
翌日、直接、バイクタクシーのおじさんに、尋ねた。
マドンナ・オブ・ジャパンまで、いくらかと。
20ペソである。
それなら、教会を回り、その後、街のレストランに、戻ると、いくらと、尋ねると、100ペソと、答えた。本当は、そこで、おじさんは、少し高めに言ったと、思う。
しかし、昨夜の料金と、比べると、明らかである。
約一時間ほどの、時間である。
後で、それを書くことにする。
さて、私は、夜のタクロパンに出た。
といっても、ホテルの付近である。
大型スーパーに出掛けた。そこで、食料を買って、食事は、部屋ですることにした。
それが、一番、良い。
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