木村天山旅日記 

  チェンマイへ

  平成21年10月 

 

第9話

チェンマイから、離れる日である。

辻さんと、千葉君は、チェンマイ空港で、出国手続きをする。

私と、スタッフは、そのまま、国内線として、乗る。

私たちは、バンコクから、パタヤに行く。

パタヤのことは、何度も、旅日記に書いた。

タイで、有名な、歓楽街であり、アジアでも、一番である。

その街が好きな理由は、兎に角、すべての、マイノリティ・セクシャリティがあること。

ここでは、男、女、ゲイ、レディボーイ、レズビアンと、どんな、セクシャリティも、受け入れる。

世界でも、二つと無い、街ではないか・・・

今回は、そこから、車で、一時間あまりの、街に出掛ける予定だった。

エイズ感染の、子供の家に行き、衣服を差し上げること。しかし、衣服は、半分になり、やむなく、次の機会にした。

その町からは、カンボジアも近い。

カンボジアにも、入りたいと思ったが、スタッフに止められた。

無理することになると・・・

東南アジアに出掛けてから、慢性的に、熱中症ぎみである。

そう、もう、無理出来ないのである。

小西さん夫妻と、お嬢さんが、見送りに来てくれた。

というより、小西さんの、車で、空港まで、送ってもらった。

空港は、少し改装していて、新しい、店が、オープンしていた。

その、一つの、喫茶店に入り、最後の、お別れである。

皆で、記念撮影をして、辻さんと、千葉君が、最初に、出た。

出国手続きをするためである。

私と、スタッフは、今しばらく、小西さん夫妻と、話した。

一月に、小西さんが、日本に来られるということで、横浜にも、立ち寄る約束である。

私は、その時、毎年、チェンマイで、行われる、七月の慰霊祭に、出席したいと、思ったが、口にしなかった。

来年の、七月は、遠い先である。

生きているか、死んでいるかも、解らない。

いよいよ、私たちが、搭乗口に向かう。

小西さん夫妻は、最後まで、見送って下さった。

冷房が効いて、寒いほどの、チェンマイの、空港である。

辻さんと、千葉君と、会うかと、思いきや、別々の、部屋だった。

同じ飛行機に乗るのだが、国際線と、国内線の、搭乗は、別々である。

機内で、二人と、会う。

同じ並びの座席である。

一時間で、バンコクに到着する。

バンコクでは、辻さん、千葉君は、途中から、国際線の、乗り場に、入ることになる。

それでは、また。

日本で、ということで、別れた。

私と、スタッフは、そのまま、スワナプーム空港に出た。

それから、タクシー探しである。

パタヤにそのまま、行くために、安いタクシーを捜す。

ところが、決められたタクシー乗り場しか、方法がなかった。

規制されたのか・・・

交渉して、乗るタクシーが見当たらない。

何度か、上を下を行き来して、結局、1500バーツで行く、タクシーに乗る。

パタヤに、到着したのは、夜の十時過ぎである。

いつもの、安いホテルである。

550バーツ。1650円である。

顔見知りの、お姉さんがいた。

今日は、ワンベッドルームしかないのよ・・・

オッケー

どうせ、スタッフは、夜出掛ける。

すぐに、決めて、部屋に入る。

通りにと、反対側の部屋で、静かである。

これは、幸いと、私は、すぐに、寝る体勢である。

シャワーを浴びて、リラックス。

確かに、疲れた。

スタッフは、出掛ける準備である。

部屋の、ドアは、少し開ける。

私たちの常識である。

しかし、他の、人には勧められない。海外で、絶対しないで、欲しい。

スタッフは、すでに、今夜会う、レディボーイと、連絡を取り合っていた。

その名は、リサである。

ベトナムと、カンボジアの国籍を持つ。

私たちの、活動に、協力してくれるという、男気のある、レディボーイである。

兎も角、残りの七日間、パタヤにいることにした。

以下は、まだらに、書くことにする。

少しの、休憩と、お休みである。