木村天山によるメールマガジン 21世紀の成功哲学 バックナンバー 成功の条件 No7 

成功哲学7

 過去を振り返ると、さまざまな喜怒哀楽に向き合う。そして不思議なことに、それらが、自分の身に降りかかったのであるが、冷静に思い出せるのである。

 つまり、歳月を経ると、思い出は、風化する。それは心に、浄化作用があり、その時々の感情を流してしまう働きがあるからだ。それはそれでいい。心はそれで救われることもある。

 私はその思い出の中でも、好きなことをやって、喜んだことを、特に思い出して欲しいと思う。どんな小さなことでも、好きなことをやって、満足感に浸った感覚は、成功の元になるのである。自分が、何を喜べるかということが、大切なこと。

 繰り返し、満足したことを思い出すことは、結果的に、それと同じ状況を生むという心的状態を作る。

 物事は、すべて心の写しなのであるから、心が喜ぶことを求めると、自然にそういう状態に向かって進むというからくりがある。要するに、意識の主人は、私なのであり、事を動かす潜在意識も、私が主体であることを、教えるのである。

 潜在意識は素直であるから、主人の思いを素直に受け入れてくれる。その思いには、満足するという、心の喜びのみ求めるから、潜在意識が、それを素直に受け入れて、主人が喜ぶことのみに、向かってくれるのである。

 すべては、うまくゆく。つまり、自分が満足する方向へ向かうと思うこと。それの確信は、過去の喜び事にある。

 過去の喜び事に支えられて、今があるのである。

 最初にいったように、成功は、金銭的なものを得るための成功を言うのではない。あくまでも、心的状態のことである。

 アメリカンドリームという言葉は、成功が経済的豊かさ、いかにお金を得るかということに尽きる。その最も良い例が、マルチ商法に似た商売の形態がアメリカに多い。

 あれは魔的なものが入っていて、人生のすべを集約する、恐ろしいアイディアである。日本にも多くそのシステムが入って来ている。結果的に一部の人が、あの世界で言う、成功者になるのであり、決して全員が、同じように、成功するということにはならない。少し、頭の程度が低い人が群がるのは、単純な成功を教えるからだ。一番、人の弱みに付け込むのである。曰く、お金を得たら、幸せになると。

 私はお金を得ても幸せにならない人を多く見た。所有することで、人は本当に幸せになることはない。だが、魔術に引っ掛かる人がいるもので、学歴も見栄えも関係なく、成功する、つまりお金持ちになると言われれば、乗るのである。

 多くを所有することで得る幸福感は、それが脅かされる不可抗力な事態が起こると、吹っ飛んでしまう。

 成功は所有することで得られるものではない。

 私が言うのは、心の状態のことである。第一に深い満足感を得るのは、心的状態でなければならない。それは、永遠不滅である。

 所有することで満足感を得る人は、根のない木のようにものである。

 人生の秘密は、好きなことをするということで得る、深い満足感を得ることの心的状態にあるのである。

 好きなことをするというのは、私が私自身になるということであり、本当の自己充実と自己実現が、そこにはある。

 もし、それをするために、お金が必要だと言うなら、お金は手段にすぎないということで、決してマルチ商法のように、お金が目的になるということはない。お金が目的になるということは、お金に魂を売り渡すということになり、それは魔的ものに、魂を売り渡すと同じである。

 ある民族の団体に、お金に魂を売り渡しているものがある。魔の世界と導通していて、真に心の安らぎがないから、いつまでも所有することで、満足を得ようとして、さ迷っているのである。彼らは全世界を手に入れても、満足することがない。つまり、得るという無間地獄に落ちているのである。

 所有することが、いかに愚かなことであるかは、たとえ全世界を手に入れても、命を失えば終わると言う言葉に象徴される。