木村天山によるメールマガジン 21世紀の成功哲学 バックナンバー 成功の条件 No9 

 成功哲学9

 成功のポイトンは、潜在意識にある。潜在意識の目覚めが、何より大切なことである。

 潜在意識は、生まれたての子供のように、素直で純粋である。そして、無垢である。この無垢であるというところが、最も大切な要素。

 精神世界である言葉の影響を大きく受ける。暗示効果というのも、潜在意識の効果である。私が言うのは、欲望充足のための潜在意識の利用の仕方ではない。本当の意味の潜在意識の利用法である。

 無垢である潜在意識は、言葉に敏感であるから、発した言葉をそのまま、素直に受け入れる。楽しい、楽しいと言葉にすると、楽しくなるのが、潜在意識である。

 その逆もしかり。だから、言葉にするのは、善し悪しなのである。プラスイメージの言葉は、プラスの効果を生み、マイナスイメージの言葉は、マイナスの効果を生む。

 端的に説明する。潜在意識は、嫉妬ややっかみ、僻みという感情を、素直に受け入れて、自分のものとする。あなたが、人に対して、嫉妬すれば、潜在意識に素直に嫉妬の感情を伝える。あなたは、人に嫉妬するが、潜在意識は、嫉妬という感情のみを、純粋に持つことになる。それが、どういうことかと言うと、あなたは、あなた自身にも、嫉妬される可能性が高いということである。

 つまり、あなたの嫉妬する心が、言葉が、潜在意識がそっくり真似をして、あなたに襲いかかるということである。だから、事がうまく進んでも、何となく空しく、単純に喜べないという場合などは、潜在意識が、うまく事が運んだというあなた自身に、嫉妬するのである。

 このカラクリを知らないと、潜在意識のことは、解らない。

 つまり、人の成功を喜べないと、あなた自身の成功も、喜べないということになるのだ。 私が成功哲学を言うのは、この潜在意識の真実である。

 潜在意識の奥底には、偉大な意識がある。仏教では、アラヤシキ、マナヤシキと呼んで、仏とつながる意識と考えている。その大いなる意識は、宇宙の意識と結び付いている程、偉大である。

 その大いなる意識の求めるものを知らないで、単なる欲望充足のために、これを利用とする、既成の成功哲学は、大きな誤りであるということだ。

 その深い意識は、あなた自身を最大限にいかそうとする。この人生に、最も、あなたに必要なものを知っている意識なのである。私は、それに目覚めることだと言うのだ。

 それは、単純に物を所有するというような、欲望のためにあるのではない。本当の自己実現のためにある。

 また、大切なことは、今までの有り様では、本当の自分というものは、無いと言うことが出来る。それは、潜在意識の本当の姿を知らないからだと言える。本当の私とは、潜在意識の奥底にある大いなる意識であるから、通常言われる、本当の自分なるものは、無いのである。通常言われる本当の私とは、気分とも言える私の意識である。気分は、流れていて、捕らえ所が無い。そこに本当の私があるはずもない。

 さて、それでは、潜在意識の私を知るために、どういう方法があるかと言えば、私が言う、物を書くという行為にある精神である言葉の世界を整理整頓することから始まる。

 ちなみに、古代の人は、言葉にしなくても、顕在意識も無垢だったから、言葉にする必要がなかった。顕在意識が即潜在意識に結び付いていたのである。

 私たちは、その能力を失ってしまったから、言葉の世界である精神を整えることから始まらなければならない。

 だから、何かを書き付ける行為を勧めるのだ。何度も言うが、精神とは、言葉の世界である。私たちは、言葉を通して、自己実現をするのである。言葉の世界が乱れれば、精神が乱れるということになる。精神が乱れては、心も整えることが出来ない。

 飛躍するが、日本語という言葉を使用するから、日本人である。言葉は、民族の精神である。この世に言葉によって成らないものは一つもない。すべては言葉から始まる。

 特に、日本の伝統には、言霊の伝統がある。それは、実に、見事な言葉の世界を表現した、世界でも稀な民族であるということである。言霊の真実を言うと、音霊であり、音の一つ一つに意味があるとした日本語の脅威がある。つまり、言挙げする、言葉にする程のことは、人生には、あまりないという程に、言葉の威力を知っていた民族なのである。