木村天山によるメールマガジン 21世紀の成功哲学 バックナンバー 成功の条件 

 成功哲学16

 ゆえに成功とは、自我と自己の和解、自己統一を言うものである。

 自分が自分らしくあること、それが成功である。

 既成の成功哲学の謳い文句、あなたも億万長者になれる。欲しい物が何でも手に入る等々、そんなことではないことが、理解出来たと思う。

 成功の意味が違う。

 私は言う。百人百様の成功の姿があるのであり、皆が億万長者になるような成功哲学は、魔界に支配されるのが、オチである。魔界とは、真実から目を逸らす、真実を隠すという世界である。

 自分が自分らしくあるということは、宇宙が宇宙であるということと同じ真実である。成功したいと考えることは、生まれて生きるということの意味を知ることになる。宇宙は、それぞれが違っていて、統一されている。何一つ同じ物はない。だから、皆同じ物を求めるということが、おかしなことであると気づく。

 それぞれが、それぞれで、成るものに成るから、宇宙であり、人間である。

 所有するということを唯一の目的とする成功哲学には、十分に注意すべきである。一端、足を踏み入れると、中々抜け出せないようになっている。

 それは、人間の無明、つまり、無知に付け込むからである。贅沢な暮らしをした者が、その生活から中々抜け出せないように。価値を自分以外の物に求めると、それは悲劇である。自分から離れて、成功はない。

 この世に最高の価値は、私であると得心すること。それが成功のカギである。

 たった一人の私が、私として生きるということが、どんなに貴いことか。

 自分らしく生きること。それは、自分はこの世で、たった一つの存在であるということに気づくことである。そこで始めて、たった一つの花であるという、私の存在に気づく。 ここまで考えてきての答えである。

 これを端的に言うと、それは私を愛することになる。

 未来永劫、たった一つの存在である私を、徹底的に愛すること。それに尽きる。

 私はそれを言いたくて、こうして成功哲学を書いてきた。

 自分が自分らしく生きて、自分を愛するという真実に気づくことが、成功である。

 それが他者にまで拡大する時、この世の宗教が言うところの、神に近付く。私の言い方をすると、宇宙と共鳴する。

 宇宙に充満するエネルギーは、違う物、他者への感謝である。端的に言う。惑星が、その距離を保って、乱れなく運行するのは、他の惑星に対する感謝の想い以外にない。

 感謝とは、違う物を認める行為である。私と違う物が私を私にするのである。その法則である。他によって、我を感じることを感謝と言う。

 宇宙が大きすぎると言うのであれば、身体の臓器を考えるといい。臓器は、それぞれ別な働きをする。そして統一している。臓器は、違いを認識して、その働きを確認する。そして、統一する。その関わりは、神秘の連携である。

 私が私として生きるということは、他者が他者として生きるということで成り立つから、私と他者の出会いが、輝く。我と汝の関係は、無上の関係になる。しかし、今は、それを多く語らない。別の機会に言う。

 自分らしく生きるということは、関わる人と共に、成功するということである。私一人が成功すれば、いいのではなくなる。つまり、そこで、嫉妬ややっかみ、僻みというマイナスであるところの意識を昇華するのである。