みたび日々徒然 49
木村天山
スマトラ沖地震の被害は、死者20万人に達する程になった。
アメリカカリフォルニアでは、大雨、大雪の被害である。
地球が生きているという証拠をみる思いだ。
40億年の地球は、絶えず変化していた。今も変化している。人類は、地球に間借りして生きている。今回のスマトラ沖地震で、ようやく世界が目覚める時期に入ったと思われる。戦争などしている暇は無いということである。相手は地球であり、共存をどうするかということである。
今年も、転変地異は続く。
いつでも、どこでも、その害を受けるということを知るべきだ。安全な場所はない。
さて、こういう世界的な天災の被害が起こっていても、その間で、とんでもないことをする悪人が跋扈することである。その一つに、親を失った孤児たちの人身売買である。
どんな状況下にあっても、悪人というのは、悪事をする。
そして、支援金の行方である。支援金が、正しく支援のために使用されているかということである。それを扱う者に、悪心の者がいれば、当然、どうなるか解る。それを管理すること。善意の支援が、一部の者のためになるという、仰天する話しは数々ある。
善意が善意として通ずるということが第一である。それにしても、結局は、善悪の問題になるというのが、悲しい。
歴史は、この善悪との悪戦苦闘である。
非常事態でも、善と悪が混在するという事実。
スマトラ島の熱心な仏教徒だった者たちが、物資を奪い合う姿を見て、愕然とした日本人の僧侶がいる。あの、信仰の熱心さは、一体どうしたのか、ウソだったのかと悩むだろう。結局のところ、平和、安全に保証された信仰だったということであろうか。それも悲しいことである。
非常事態の時に、本当の姿が現れる。本性が現れる。
賞罰と契約によってしか、人間の関係が成り立たないとしたら、それもまた悲しいものであるが、世界は、そのようである。