みたび日々徒然 53

木村天山    


 NHKの話である。

 会長辞任、そして副会長、専務理事も辞任。ところが、三人は顧問に就任したという。 この三人は、日本人ではない。日本人の伝統を知らない。どういう状態で自分たちが辞任したのかを知らないのか、知っても、まだ思い残り、どうしても役職に就きたいのか。 日本人であれば、見事に引くはずである。こういうのを、昔から見苦しいと言った。

 立つ鳥跡を濁さず。

 引き際を忘れたアホと言うしかない。自分たちがアホだとは知らないという、哀れさである。魚は頭から腐る、組織も頭から腐る。不祥事に対する対応は、どうだったのか。

 信じられない程度の対応である。NHKは何も変わらない。変わるための努力もしない。何を変えるのかも知らない。

 国民に支えられているNHKであることを忘れている。

 これ以上を言う気がしないが、あえて言う。

 NHKの番組は、下請けが製作する。下請けは、存在が霞む。評判はNHKのものであり、下請けは使い捨てされる。問題が起これば、下請けが対応する。NHKは関わらない。良いことだけはNHKのもので、悪いことは下請けなのである。

 芸能人が出演すると、NHKであるからギャラが安い。それを当然と思う。NHKに出ればそれだけで信用だと考えているから、ギャラが安くても出ると思っている。紅白などもそうだ。ところが、NHKの職員の給料は、どうだ。

 辞任した会長は、億の退職金を得る。

 責任を取って辞めても、痛くも痒くもない。それのみか、また顧問に就任するというその根性に、日本の迷走と没落を感じる。もはや、大人がいない国なっているのか。

 会長辞任の弁で、滔々と自分のやった実績を語るというアホなことをする。こういうのが、会長であったのだ。哀れである。とすれば、後は、推して知るべしである。

 一度、権力を握ると、放すことが出来ないようである。権力欲というのは、金銭欲と同じく、激しく強いものなのであろう。

 余程、権力というものが心地よいものなのであろう。

 生き恥をさらすという、日本の伝統的考え方を教えられなかった不幸である。

 彼らを誰が教育したのであろうか。

 野良猫でも死期を悟ると、それ姿を消すという。見苦しい様を見せないという潔さがある。野良猫より劣ることを知らないアホに、何が出来るのだろうか。

 後進の指導とか、人材育成をとか言うアホの顔には、そういう資格がないということを語っているが、本人は知らない。厚顔無恥な人相が印象的である。

 追伸)これを書いた翌日、29日朝刊で、三人が顧問を辞任と出た。

 曰く、視聴者からの抗議や批判が殺到したためとある。当たり前である。しかし、そうでなければ、顧問に就任したということだろう。

 要するに、何も変えられないと考えた方が良い。NHK危うしである。新会長から依頼を受けて即、顧問に就任するという根性が、どこから出るのか、不思議でしょうがない。

 厚顔無恥という話しではない。その上をゆくのを、何と言うのか、私は知らない。

 

TOP PAGE   各種エッセイ目次  みたび日々徒然 目次