みたび日々徒然 84

木村天山   

 

 「反日」を招く基本的な要因は、日本にあるとの解析は、アジアのメディアに広くあるという。

 日本に侵略を受けたシンガポールのストレーツ・タイムズは「いやになるほど繰り返される指摘だが、日本が戦時中の暗い過去を認めることができず、あるいは認めたがらないことが問題であり、全く不可解な病状だ。いかに公式に『遺憾』を表明しても、真に悔い改める行動が伴っていないのだ」(05年4月12付け社説)

 これは一体、どういうことであろうか。

 謝罪外交を繰り返して、戦後日本は、卑屈なまでに行動しているではないか。まだ足りないということは、どういうことであろうか。日本が消滅するまで、そう言うのであろうか。

 侵略した国々が、例えば、スペイン、ポルトガル、フランス、イギリス、アメリカ等、彼らは、一度たりとも、謝罪していない。逆に、文化文明を伝えたと、うそぶくのである。世界で唯一、日本だけが、その侵略の非を認めて、謝罪し、それに相応しい保証を繰り返している。ところが、まだ、謝罪し、保証せよと言う。これでは、お話にならない。日本がこれから出来ることは、日本という国の消滅であろう。

 日本が消滅すれば、世界の平和は永遠に訪れないと私は言う。

 北朝鮮の若い学生に、拉致問題を問うと、なんと「それより、日本は戦後補償を」と答える。仰天する話である。

 何度も言うが、中国はどれ程のODAを受けているか。富士山よりも高く一万円札を積み上げて、日本は支援しているではないか。それで、中国では日本向けの核兵器を作り、北朝鮮にも、そのお金を回して、これも日本に向けての核兵器を製造するという、仰天である。

 戦後の日本の教育は、自虐史観に支配されて、ほとんど腑抜けとなった若い者、国民である。これ以上の、卑屈な歴史認識は、日本の消滅を意味する。

 私は尋ねたい。日本が消滅することが、アジアの目的なのであろうか。韓国や、中国は日本を属国として扱いたいのか。

 アジアの国々は、どうしたいのであろうか。侵略した日本を侵略して満足するのか。

 反省し、謝罪している人の過ちを、徹底的に責めて追い詰めれば、どういうことになるのであろう。

 戦後処理の時に、蒋介石が「恨みに報いるに徳を持ってす」と、一切の戦後補償を求めなかった。正に、中国の懐の大きさを、その哲学と思想の偉大さを示した言動であった。ところが、中国共産党は、いやいや、まだまだ、永遠に保証して貰うと言う様である。

 共産主義とは、そういう低次元の哲学と思想を持っているのかと、私は改めて、共産主義なるものに、絶望するのである。

 一つ、日本に理解ある論評を載せた、オーストラリアのオーストラリアンは「中国人は、日本人は歴史をちゃんと見ないと非難するが、中国共産党だって、天安門事件をまだきちっと総括できていない」と言う。そして「日本は敗戦後、世界市民のモデルとなった。しかし、中国の党は数千万に及ぶ自国民の犠牲の責めを負っている」とある。

 私は願う。中国、韓国共に、大国に成長して欲しい。物事の本質を日本と共に見つめるべく、努力して欲しい。事実は事実として、日本はそれを認める器がある。

 

TOP PAGE   各種エッセイ目次  みたび日々徒然 目次