みたび日々徒然6 

木村天山 著

 『地球は、北半球が約千年ぶりの温暖期に入っている。気温の上昇だけでなく、火山の噴火や、大地震なども要注意。原因は、地球の自転軸が太陽に対して直角になっていない《自転軸の角度のぶれ》である』

 と言う人の説がある。自転軸のぶれにより、赤道は周期的に南北に移動している。その変換期には、気象が荒れ狂い、地殻変動が多くなる。地震と噴火である。

 環境破壊を続けた人間に対する大自然の云々と、私は言わない。そんな程度のものではない。言うならば地球現象である。

 今年、10個の台風が日本を襲い、甚大な被害を受けた。そして新潟の地震である。また頻繁に起こる小さな地震等、噴火もあった。そして日本だけではなく、世界的に異常気象等による、災害が多い。

 地球の自転軸のぶれという、大掛かりな変化が行われている。それは人類の進化と、新しい地球環境への適応を促す。人類は幾度かの変革期を生き抜いてきた。

 この変革期に、世界は一つになり、乗り越えるべきテーマを与えられたと考える方が賢いと思われる。相手は自然である。

 いつまでも欧米の自然と対峙する思想をもってしては、嘆きが大きくなるばかりである。自然を征服して、人間に従わせるという考え方を根本から変えるという思想が必要になる。 個人の幸福など、自然現象の前では、吹っ飛ぶのである。

 新潟では一つの村が壊滅するなどの被害を受けた。これが多々あるとしたら、どうする。大雨の濁流に飲み込まれる家々を見ると、その有り様に手出し出来ないことが解る。通常ではなくなった自然の前では、人間は無力にならざるを得ない。

 もしここで何かを学ぶとしたら、自然に対する謙虚さであろう。自然を従わせるなどという考え方は、無力に帰する。

 そういう地球の状況下で、戦争などしていられないだろうが、一部の人の利益のために、殺し合いをしているという愚である。

 今の文明の発生から五千年、戦い続けても、まだ懲りずに戦うという愚である。そんな中で、戦争を放棄した国は、日本一国のみ。それが、そぞろ戦争体験をしたことのないアホが、戦争に曳かれて行く様は、哀れであり、悲しいことである。

 世界の理想である戦争放棄の国として、世界の平和に貢献するはずの日本が、少しのアホのせいで、また戦争に加担するようになるという愚かさは、何としても止めたい。

 人を殺さなくても、自然の脅威によって人は死ぬ。人が人を殺している暇はなのである。 よく聞け、アメリカ。アホか。

 そしてテロリストたちである。偏狭な思想に拘り、何としても人を殺したいのである。世界を恐怖で支配したいのであろう。どうしたってこうしたって、テロリストで生きたいという、哀れさである。いつも敵を探して戦々恐々として、心休まることなく、テロ行為を続けるという哀れさ。敵愾心のみを養い、人生をそれに掛けるという愚かさ。

 彼らの存在で、テロリストを撲滅するという大義をアメリカに与え、実は、根こそぎ他民族を殺すというアメリカの正義を実行させる。愚は愚を生むのである。

 だが、もっと罪深いのは、世界の目をそちらに向けさせて、自分の利益のみを追求し、世界を支配しようとする一部の罪深く賢い者共。姿は見せずに、裏で糸引く狡さである。 いつまでも、続くと思うな。観る者には観えているのである。

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