7日の昼、私たちは、ウブドゥから、クタのホテルに戻った。
その日、一日、フリータイムである。ゆっくり、のんびりすることにした。
ウブドゥを抜ける頃から、空気が変わる。
山から海のものになる。また、騒音である。クタの車は、多い。
兎に角、暑い。
異常気象である。
とは、言うが、本当は、異常でも何でもない。これが、自然である。
海面上昇というのも、嘘である。水没するのは、別な意味である。
地球は、生きているのである。
たかが、人間のやることに、地球が左右されることはない。
左右されるのは、人間の方である。
地震が起これば、無に帰す。
到底、地球のやることに、適わない。
問題は、環境破壊する時、目に見えないものを、ないがしろにすることである。
石炭は、樹木の化石であり、石油は、生き物の、死骸の産物である。
山を切り崩すという行為は、そこに住むものたちの、存在を無にするということである。
つまり、多くの生き物を殺す。
命が大切なものが、人間だけである訳が無い。
また、重大なことは、地霊である。
地霊とは、そこに生きて死んだものの、総称である。
これを、無視すると、とんでもないことになる。
政治家、官僚、企業等々は、それを、知らないのである。
古代人ならば、山を切り崩すことは、神を切り崩すことだと、恐れ慄いたはずである。
すべてには、所作がある。
やも得ず、自然を開発する時は、それなりの所作が必要である。
さて、私は、夕方、少し日が翳り始めたので、マッサージに出掛けた。
フットマッサージならば、一時間で、50,000ルピアからある。約、600円程度である。
至る所に、マッサージ店がある。大半が、美容室と一緒である。
前回来た時に、親しくなった店もあるが、私は、新しく開拓しようと、ホテルの並びを歩いた。
言えば、本通ではなく、仲通である。
一番目に、目に入った店に入った。
フットマッサージを頼んだが、何と、前身マッサージを始めるではないか。私の発音が悪かったと思う。
タイマッサージになっていた。
バリ島でも、タイマッサージという言葉が使われる。
だが、バリ島風に、オイルを使用する。
オイルマッサージは、嫌いだったが、それが、感動ものだった。
凝りをほぐすのである。
指圧に似た、マッサージをしてくれた。
バリニーズで、27歳のマッサージ歴4年の女性である。
私は、そこに、帰国の日まで三回通った。
一時間、75,000ルピアである。約、850円である。
値段は、ピンからキリまである。
クタ通りに出ると、それが、100,000ルピアから、200,000ルピアになる。
1200円から、1400円程度である。
ここで、両替のことについて書く。
政府公認の両替が、一番安全である。
クタ通りには、多く、闇の両替がある。
そこでは、完全に騙しのテクニックがある。
金額が、大きいので、勘違いするのを、利用して、不正を行う。必ず、騙される。
手品のようなことをして、騙すのであるから、恐れ入る。
例えば、40枚を渡されたと思うが、数えると、30枚になっているのである。
手品である。
それはそれは、上手である。
はっきりと、解る不正が、二度あった。
私は、その都度、掛け合いに行った。
彼らは、私のような大声を嫌う。
仕方なく、不正を認めて、支払う。そうでなければ、彼らも、商売であるから、平然として、無視する場合が多々ある。
一度、手にしたものを、再度、やり直すということを、しない。
また、日本人が、不正に気づいていも、日本円に換算して、その程度ならと、諦めるということも、知っているのである。
両替をやる者は、ジャワ人が多い。バリニーズは、不正を行えないのである。
政府公認の両替に行くと、実に、機械的であるが、道端の両替に行くと、実に、ショーのような、雰囲気になるから、面白い。
その、スリルもあって、私は、道端の両替に行くこともある。
ただ、不正両替をする、彼らの気持ちは、痛いほど解る。
レートの良いところに行くと、必ず、手数料を取られる。
すると、何もレートなど良くない。
結果、政府公認の両替より、悪いことになる。
何度も言うが、必ず騙される。
さて、体についたオイルを、ホテルのプールで泳ぎ、取り去る。
心地よい疲れで、冷房の効いた部屋で、休む。
すると、夜の食事の時間になる。
食べることが、楽しみになる。
私は、一度、バリ島の日本食の店に連れて行くと、皆に言っていた。
それを、その日に、実行しようと思った。
いかに、バリ島の日本食の店が、頑張っているかを、見せたいと思った。
勿論、日本人観光客が、多いから、日本食の店が乱立したのである。
料金は、高いが、日本円に換算すると、日本の料金より、半額程度になる。
それも、割安感を感じさせる。
しかし、日本円に換算ばかりしていると、誤る。
バリ島の、現地料金を、把握することが、大切である。
数日間の観光旅行では、そんなことを、考えない。単に、バリ島を通過するだけであるから、お金を使う。それも、善し。
ただし、落としたお金は、大半が、バリ島の人には、行かない。皆々、搾取される。
夜、皆を、日本食のレストランに連れた。
結果は、美味しいという。
生ものを食べるのは、バリ島では、危険だが、日本食のレストランは、安全である。
寿司飯が美味しい。
味噌汁もいい。
刺身も、旨い。
目出度し、めでたし、である。
一度、ホテルに戻り、提案をする。
バリ島の、レディボーイショーを見るかというもの。
皆、行きたいと言う。
野村さん夫婦は、始めてのことで、奥さんが、おかまショーですかと、改めて聞く。
日本では、ニューハープと言うと、私。奥さんが、頷く。
その、奥さんは、ショーに目をそむけることなく、最初から最後まで、じっと、見ていたのである。
私は、大音量に、疲れ果てたが。
少し、ホテルで、休憩して、ホテル近くのバーに出掛けた。
ショーまで、一時間ほどある。
皆、それぞれの飲み物を注文して、ショーの始まるのを待つ。
レディボーイの裏側については、野中が、徹底取材している。
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